2017年はCloud Garageをこんな風に使いました
この記事は#CloudGarage Advent Calendar 2017 - Adventarの16日目の記事です。
安さは正義
2017年はRancher JPのメンバーとして色々なところで発表させてもらいましたが、Rancherの環境をどう持つかが課題でした。
当初は自分のMacBookの中で仮想マシンを何台か動かしたり、社内OpenStack環境でインスタンスをいくつか上げたりもしてみたりはしたんですが、使い勝手の面で課題があり、できればもう少し恒常的に置いておきやすい場所がほしいなーと思っていました。
ベアメタルクラウドであるPacketがRancherOSに対応していたり価格が(比較的)安かったりしたので使ってはいたんですが、複数のインスタンスを常時動かしたいとなると、それなりに費用が掛かってしまい、どうしても使うときだけインスタンスを上げる・・・なんて感じになってしまっていました。
そんな折りに、安価に複数のインスタンスを常時利用できるというCloud Garadeさんのことを知りました。正直、最初は「安かろう悪かろうでしょ?」 とか、「ユーザー数爆発したら激重になるんじゃないの?」とか思っていたんですが(すみません)、おもった以上にストレージが速かったり、契約数を制限して激重にならないような運用をしてたりと、良い意味で想像を裏切られる安心のサービスでした。
とまぁ、こんなわけで2017年後半は、いろいろな検証とかでCloud Garageを使ってきましたが、今日はどんなことで主に使ってきたかを書いておきたいと思います。
Rancher環境としての利用
Cloud Garageさんでインスタンスを作成する際には予め用意されているOSイメージから選択して起動します。一般的な主要Linuxディストリビューションは用意されているんで困らないのですが、そこにRancherOSもラインナップされているというのが牛勢の心を掴みました。
RancherOSを起動させたいときも選択するだけでいいので非常に簡単です。とはいえ、RancherOSの場合はISOイメージをマウントして起動しているだけですので、Diskインストールしたい場合は結局別途作業が発生します・・・。最初はここも少し戸惑いましたが、今はコツも抑えたので非常に簡単です。詳細は、こちらの資料とかを参考にしてみてください。
www.slideshare.net
Rancherの場合、通常は複数のホストをDockerコンテナの配置先として使います。また、Rancher Server(のコンテナの配置先)となるホストとRancher Agentが導入されアプリコンテナの配置先となるホストを分けたいときなどもインスタンスが複数あるCloud Garageさんだと好都合です。
Kubernetes環境としての利用
ぶっちゃけk8sを活用する場合は多くのメモリが必要となるのですが、とりあえず環境をお試し的にサクッと構築するだけであれば2GBもあればなんとか動くことは動きます。
私の契約は2GB x 3BOXなので、Rancher Serverを外部で用意(SaaS的にRancherを試用させてくれるTry Rancherを利用すると簡単)ことで、この契約でなんとかk8sを使うことが出来ます。
先に埋め込んだスライドではまさにこの環境を使ってk8s環境の構築をやっています。メモリ的には結構かつかつですが自分のk8s環境を安価に持てちゃうわけです。
Ansible環境としての利用
業務でAnsibleのトレーニングを担当することがあり、ModuleとかPlaybookとかの確認をやりたい場合に処理対象となるインスタンスを作ったり壊したりできるCloud Garageの環境はやはり便利です。もちろん他のPublic Cloudサービスでも同じことは出来ますが、定額なので作業の途中で一旦手を止めたいときでもコストをさほど気にしないで済むのは気が楽です。
また、最近ですとRed Hat Ansible Towerのコミュニティ版であるAWXの展開先としても利用しています。
こちらもk8sと同様で本来は4GB以上のメモリが推奨なのでややスペック不足ではあるんですが、動作的には問題なく動いています。AWXだけではなく、処理対象となるLinuxサーバを用意できたり、AWXが利用するPostgreSQLを別のホストで動かして接続する・・・といったカスタマイズなども複数インスタンスがあるCloud Garageさんだと気軽に「お、ちょっとやってみるかな」という感じに試せるのがいいですね。
AWXに関しては別のアドカレで記事を書いてますので良かったらご覧ください。
まとめ
とまぁ、結局Rancherとk8sとAnsibleだけかよって怒られそうですが、簡単に壊して作り直せたり、途中で放置してまた別のタイミングで続きができるというのはお手軽でとても良い感じです。
自分のPCで仮想マシンによる検証とかだと移動時などでPCをスリープさせるときに「大丈夫かな?」って心配になりますし、仮想マシンを多く立ち上げすぎて他の作業に支障が生じることもあったりするので、やはり外に好きにいじれる環境があるのは便利ですので、普段インスタンスを立てたり壊したりしている人はコストを鑑みてCloud Garageさんの利用を検討してみたりするのもいいんじゃないかなーと思う次第です。